人工股関節置換術は、傷んだ股関節の骨を取り除き、人工関節に置き換える手術です。人工関節に置き換えることによって、痛みの緩和や関節動作の改善が期待できます。
人工関節の固定には、骨セメントを用いる方法と骨セメントを用いずに直接骨に固定する方法とがあります。どちらの方法を選択するかは、患者さんの年齢や骨の質、形状、または人工関節の機種によって判断されます。
リハビリテーション
1) 外転枕(がいてんまくら:三角形の固めのスポンジ)
手術直後に、足の位置を正しく保つために使用する枕です。枕を足の間にはさみ固定します。
2) 筋力訓練
股関節に力を入れて伸ばす訓練、股関節を伸ばしたまま下肢全体を上げる訓練などがあり、病棟内で行う場合と術後少し経ってから訓練室(リハビリ室)で行う場合があります。
3) 歩行訓練
術後数日~10日頃で股関節の状態がよくなったら、訓練室(リハビリ室)で歩く練習をします。はじめは平行棒や歩行器につかまりながら、だんだんと杖の訓練に移ります。次に階段の昇降訓練です。術後2~3週で杖をつきながら自力歩行が可能になります。
※リハビリ訓練後について
・訓練が終わった後、股関節に熱を感じることがあります。
このときは主治医、もしくは看護師に相談してください。
・一時期腫れが出ることもあるので、休む時は足全体を心臓よりも高い位置にして休むとよいでしょう。
※注意点
・リハビリはくれぐれも無理のないように心がけてください。
・トイレへの乗り移りは、水が床に飛び散っていることがあるため、
くれぐれも転倒しないよう気を付けてください。
・医師からの注意点に従って、無理のないように自宅にてリハビリテーションを行ってください。
・歩行時、特に外出時には杖の使用を心がけてください。
・家庭でも入院時に習ったリハビリ訓練を行ってください。
・なるべく万歩計をつけて自分の活動性のチェックを行ってください。