関節の痛みに対する治療には大きく分けて「保存療法」と「手術療法」の2つがあります。
保存療法
関節に痛みを感じるときは、ゆっくりと体を休めることが大切です。痛みが強い時は、痛む箇所を冷やすことが効果的です。ただし氷や保冷剤は直接皮膚に当たらないよう、タオルで巻くなどしてください。
長時間の冷やし過ぎは逆に悪化につながる場合があるので、冷やし過ぎには気を付けてください。
痛みやこわばりをやわらげる目的で関節を温める療法です。関節を温めて血の巡りを良くすることで、老廃物などが排泄されやすくなると同時に、動かしやすくなる効果が期待できます。
入浴や蒸しタオルなどで温めるなど、自宅でもできる方法もあります。
杖、靴、サポーターなど、身につけるものを使用して関節の負担を軽くしたり、安定させる治療方法です。それぞれの症状や骨格に合った物を使用することが大切です。
関節の動きには、筋肉が大きく影響しているため、安静も大切ですが、あまり動かさずにいるのも良くありません。
運動療法は、関節周辺の筋肉を強化して、関節にかかる負担を減らすことで痛みをやわらげる治療法です。間違ったやり方や、鍛え過ぎは症状を悪化させる恐れがあるため、医師や理学療法士の指導を受けることが大切です。
家にいながらできるものもありますので、一度相談してみましょう。
飲むお薬だけではなく、湿布や塗り薬を使用し、痛みや炎症を抑える治療法です。
さらには、関節の動きを良くしたりクッションの役割をしたりする「ヒアルロン酸 」を直接関節に注射するヒアルロン酸の関節内注射も行われています。薬物療法には副作用のリスクが伴うため、必ず病院の先生に相談してください。お薬による治療についてもっと知りたい方は・・・
日常生活の中でできる取り組み
自分の関節を長持ちさせるために毎日の生活の中でできる取り組みを紹介します。
⇒歩行中、ひざ関節や股関節には体重の約3倍の負荷がかかると言われています。体重を減らして関節にかかる負荷を軽くすることが大切です。
⇒年齢を重ねると共に、骨はもろくなってしまい、骨折しやすくなったり、痛みやすくなったりします。
カルシウムを多く含む食材を摂取し、、軽い運動や日光浴をすることをお勧めします。
※カルシウムを多く含む食材
一般的に、乳製品、骨ごと食べる魚、葉物に多く含まれると言われています。
サプリメントでも摂取可能ですが、その他の栄養素も取れることから、
食べ物での摂取と併用することをお勧めします。
⇒歩行時に杖を使用する、階段昇降時に手すりを使用するだけでも、ひざ関節や股関節にかかる負荷を
軽減することができます。
さらに、転倒の防止にも役立ちます。症状に合った杖選びはお医者さんに相談してください。
⇒関節の動きには、関節周辺の筋肉が大きく関係していて、関節の動きをサポートしています。
関節周辺の筋肉を鍛えることで、関節にかかる負荷を減らすことができます。
⇒入浴時に湯船につかることで関節を温め、血行を良くすることができます。
血行が良くなると関節内の老廃物が排出されやすくなり、痛みの軽減につながると言われています。
お風呂場に転倒防止のマットや手すりを付けるなどもお勧めします。
⇒できるだけ正座は避け、椅子を使用しましょう。また、お手洗いも和式ではなく洋式を使用しましょう。
立ち上がる際に関節に係る負荷を軽減することができます。
運動療法
【運動療法についてのご注意】
※手術後の方は、体操を始める前に主治医にご相談いただくことをお勧めします。
・各体操に記載の実施回数や時間はあくまでも一般的な目安です。 その都度、ご自身の体調にあわせて無理のない範囲で行うようにし、慣れてきたら少しずつ負荷を増やしていきます。
・万が一、痛みを感じた場合はただちに体操を中止し、主治医にご相談ください。
・服装は体を締め付けないような、楽なものを選びます。
・関節に痛みを感じるときは、ゆっくりと体を休めることが大切です。痛みが強い時は、痛む箇所を冷やすことが効果的です。ただし氷や保冷剤は直接皮膚に当たらないよう、タオルで巻くなどしてください。長時間の冷やし過ぎは逆に悪化につながる場合があるので、冷やし過ぎには気を付けてください。
※注意 この体操は畳やカーペットの上で行うことをおすすめします。
(布団やベットの上では体が沈んでしまい、向いていません。)
薬物療法
関節リウマチの特徴的な症状は「関節の腫れ」です。もっとも起きやすいのが、手首や手足の指の関節です。また、関節リウマチの症状は「対称性」といって、左右両側の関節にあらわれることが多いのが特徴です。 関節リウマチとよく似た病気に「変形性関節症」がありますが、この病気は、関節を動かしたときに痛みが出やすいものです。一方、関節リウマチは、腫れを伴って、じっとしていても痛いのが大きな特徴で、その痛みはよく「かみつかれたような痛さ」ともいわれます。
関節リウマチに特徴的な「腫れと痛み」は、免疫機構に異常が生じ、その結果関節に炎症が起こって生じるものです。
免疫機構とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの外敵を攻撃し排除するシステムで、人間が生まれながらに持つ性質です。ところが、何らかの原因で このシステムに異常が生じることがあります。この場合、免疫機構が自分の体の成分や組織を外敵と誤り、攻撃して排除しようとします。このように免疫機構と 正常な組織との間に争いが起こると、炎症とともに関節が破壊されるのです。こうした現象が関節に起こる病気が関節リウマチです。
関節リウマチの治療薬には以下の様な種類があります。
痛みや炎症を抑えるための薬剤です。
正式には副腎皮質ステロイド薬と呼ばれ、強い抗炎症作用と免疫抑制作用を持っています。
免疫の異常を改善し、関節炎の進行を抑えます。
高い炎症抑制作用を持ち、関節の炎症や破壊を引き起こす原因物質の働きを抑える。