指関節の痛みを引き起こす原因となる疾患の例として以下のものがあげられます。
関節リウマチ
主に関節の内側にある滑膜に腫れや痛み、こわばりなどの炎症を起こし、それが原因で関節の変形をきたす疾患です。典型的には特定の関節に起こるのではなく手足の指や肘、手首、足首などから発症し次第に肩関節、ひざ関節、股関節と大きな関節に発症していきます。
関節リウマチのメカニズムはまだ完全には分かっていませんが、遺伝による体質にウイルスなどの刺激が加わって免疫に異常が生じて起こる「自己免疫疾患」のひとつと考えられています。臓器障害などの自己免疫疾患などの合併症をあわせ持つことも多く、そのことも考え合わせて治療する必要があります。近年、効果の高い薬が使えるようになり、治療が大きく進歩しつつあります。
変形性関節症
長年の使用や繰り返される負担によって、軟骨がすり減ったり、骨の変形が生じたりする疾患です。
DIP関節に生じる変形性関節症はへバーデン結節(けっせつ)と呼ばれます。女性は男性に比べ10倍ほど発生率が高く、加齢や指への負担などで変形が進行します。骨の変形によりDIP関節の周囲に膨らみ(コブ)ができるのが特徴で、変形が進行する時期には赤く腫れ、痛みを伴うことがありますが、ほとんど痛みがなく変形だけが生じることもあります。
PIP関節に生じる変形性関節症はブシャール結節と呼ばれ、PIP関節が赤く腫れたり変形したりします。へバーデン結節を発症すると、20%程度の確率でブシャール結節を合併すると言われています。
MP関節や親指のCM関節の変形性関節症は、骨折や脱臼などの外傷や過度の使用によって発症することがあり、物をつまむ動作で指の付け根に痛みを生じます。さらに、DIP関節の動きが悪くなったり、DIP関節の近くに水膨れのような膨らみができたりこともあります。