独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター 骨・運動器疾患センター部長 平尾 眞 先生
“一期一会”を大切に、一例一例丁寧な診療を
(取材日:2023年)
専門分野: リウマチ関節外科、足関節、膝関節
趣味・休日の過ごし方:
小学生の娘、息子の野球の練習に付き合っています。
ボール拾いから守備、ランナー役まで一緒に練習しています。
最近気になるトピックス:
ウクライナ戦争について
スポーツの国際大会に出る国が戦争下にいる現状について、このような国がまだあるのだなと…。
早く平和な日々が戻ればよいなと思います。
趣味・休日の過ごし方:
小学生の娘、息子の野球の練習に付き合っています。
ボール拾いから守備、ランナー役まで一緒に練習しています。
最近気になるトピックス:
ウクライナ戦争について
スポーツの国際大会に出る国が戦争下にいる現状について、このような国がまだあるのだなと…。
早く平和な日々が戻ればよいなと思います。
足関節の痛みでお悩みの患者さんは主にどのような疾患がありますか。
主に、「変形性足関節症」「関節リウマチ」などの疾患があります。疾患によって足関節の痛みが強くあらわれ、重症化すると可動性が失われることで日常生活にも大きく影響が出てきます。
変形性足関節症については、加齢によるものやケガによって起因されるものなど、さまざまな原因があります。昔負ったケガによる軟骨のすり減り、靭帯損傷、足関節付近の骨折なども原因としてあげられます。歩き方のくせやひどい捻挫を繰り返すことも変形をきたす要因となりますので、「変形性足関節症」は一概にご高齢の方だけの疾患ではありません。
変形性足関節症については、加齢によるものやケガによって起因されるものなど、さまざまな原因があります。昔負ったケガによる軟骨のすり減り、靭帯損傷、足関節付近の骨折なども原因としてあげられます。歩き方のくせやひどい捻挫を繰り返すことも変形をきたす要因となりますので、「変形性足関節症」は一概にご高齢の方だけの疾患ではありません。
足関節の痛みにはどのような治療法がありますか。
「変形性足関節症」は変形の程度によってレベルが4つに分けられており、レベルによって治療法が変わってきます。レベル1~3の患者さんには、関節注射や関節鏡手術※など足関節をきれいに掃除してあげる手術や、骨切り手術といって骨の向きを変えて、軟骨が残っている部分に体重がかかる軸を移動させるものなど保存的治療から手術時間や入院期間の短い手術療法などで治療をすすめていきます。
レベル3~4程度の中度から重症の患者さんには人工足関節置換術の検討をすすめています。
「関節リウマチ」はどんどん関節が変形してきてしまう病気ですので、患者さんの痛みの程度と変形度合いによって人工足関節置換術を検討されるようお伝えしております。
患者さんの状況から治療法を一緒に検討していきますので、足関節の痛みでお悩みの方はまずお近くの専門医にご相談いただければと思います。
関節鏡手術:直径1cm程度のCCDカメラが搭載された棒状の関節鏡を使用し、モニターに映し出された病変など内部の様子を確認しながら行う手術のこと。病変した部分を確認し、関節内を操作する器具によって切除や縫合を行う。手術創というのは1cm程度と侵襲性も低い手術方法である。
レベル3~4程度の中度から重症の患者さんには人工足関節置換術の検討をすすめています。
「関節リウマチ」はどんどん関節が変形してきてしまう病気ですので、患者さんの痛みの程度と変形度合いによって人工足関節置換術を検討されるようお伝えしております。
患者さんの状況から治療法を一緒に検討していきますので、足関節の痛みでお悩みの方はまずお近くの専門医にご相談いただければと思います。
関節鏡手術:直径1cm程度のCCDカメラが搭載された棒状の関節鏡を使用し、モニターに映し出された病変など内部の様子を確認しながら行う手術のこと。病変した部分を確認し、関節内を操作する器具によって切除や縫合を行う。手術創というのは1cm程度と侵襲性も低い手術方法である。
人工足関節手術はどういった手術なのですか。
骨と骨のクッションとなる軟骨がすり減ることで痛みが起きている関節の表面を人工関節に置き変える手術です。「人工足関節置換術」の良いところは、痛みが取れて早期に動けるようになることです。また、骨切り術に比べても、術後早期に動くことが可能です。そのため、「早く痛みを取りたい」「趣味のために可動できる状態でありたい」と望まれる患者さんには少し早めに「人工足関節置換術」をおすすめしております。
「人工股関節」や「人工ひざ関節」に比べて、「人工足関節」は比較的新しい手術方法です。以前は、リウマチ患者さんなど足関節の変形が重度の場合には、「固定術」での治療がメインとされ、距骨と脛骨をくっつけてしまうために足首を動かすことが難しくなっていました。また、リウマチの患者さんの場合、両足関節に変形が見られることが多く、「固定術」を両足に受けられた場合、可動域の制限によって階段の上り下りが難しくなるなど日常生活にも支障をきたします。その一方で「人工足関節置換術」は痛みが取れることはもちろんですが、可動域を残されるため非常に優れた手術方法です。
「人工股関節」や「人工ひざ関節」に比べて、「人工足関節」は比較的新しい手術方法です。以前は、リウマチ患者さんなど足関節の変形が重度の場合には、「固定術」での治療がメインとされ、距骨と脛骨をくっつけてしまうために足首を動かすことが難しくなっていました。また、リウマチの患者さんの場合、両足関節に変形が見られることが多く、「固定術」を両足に受けられた場合、可動域の制限によって階段の上り下りが難しくなるなど日常生活にも支障をきたします。その一方で「人工足関節置換術」は痛みが取れることはもちろんですが、可動域を残されるため非常に優れた手術方法です。
人工足関節手術には、年齢や持病による制限はありますか。
糖尿病の患者さんは一般的に感染症リスクが高い傾向にありますが、シャルコー関節など神経障害が出てくる前であれば、血糖値を内科と連携しながら数値をコントロールしながら手術を受けることが可能です。
また、「人工足関節置換術」を受けるにあたって“骨密度”は大変重要になってきます。人工関節が適応されるひざ関節や股関節に比べて足関節は関節の断面が小さく、体の下に位置しているので荷重がかかりやすい部位になります。そのため、インプラントの土台となる骨が強いことが大切です。リウマチの患者さんや人工透析をされている患者さんは特に術前に“骨密度”を把握したうえで、骨密度が低い場合には骨粗しょう症治療も行いながら人工足関節置換術をすすめています。
シャルコー関節:別名「神経障害性関節症」といい、糖尿病などの病気により痛みや位置感覚の障害などの神経障害をきたす関節症のこと。
また、「人工足関節置換術」を受けるにあたって“骨密度”は大変重要になってきます。人工関節が適応されるひざ関節や股関節に比べて足関節は関節の断面が小さく、体の下に位置しているので荷重がかかりやすい部位になります。そのため、インプラントの土台となる骨が強いことが大切です。リウマチの患者さんや人工透析をされている患者さんは特に術前に“骨密度”を把握したうえで、骨密度が低い場合には骨粗しょう症治療も行いながら人工足関節置換術をすすめています。
シャルコー関節:別名「神経障害性関節症」といい、糖尿病などの病気により痛みや位置感覚の障害などの神経障害をきたす関節症のこと。
先生が診察や治療で心がけていらっしゃることはありますか。
一例一例丁寧に診療することを心がけています。患者さんとの出会いは、一期一会だと思って日々診療にあたっています。患者さんが治療を受けた後に、痛みから解放され「自転車に乗れるようになった」、「お買い物を楽しめるようになった」などのお声をいただくと本当にやりがいを感じます。