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ひざ関節

医療法人慶仁会 城山病院 おおた人工関節センター副センター長 入内島 崇紀 先生
医療法人慶仁会 城山病院 おおた人工関節センター副センター長 入内島 崇紀 先生

患者さんファーストでより良い治療を
(取材日:2024年)

病院HP:https://www.shiroyama-hospital.or.jp/department/department14.html

ドクタープロフィール
【趣味・休日の過ごし方:】
「学会」
海外で開催される学会にも積極的に参加しており、日本の情報だけでなく海外の先生との交流から世界の情 報交換も積極的に行えるようにしています。

【最近気になるトピックス】
「ナビゲーション手術」
昨今では、人工関節手術もナビゲーションでの手術が行われています。車でも「オートマ車」と「マニュアル車」があるように、人工関節もオートマチックに手術前の患者さんCT画像等をもとに人工関節が適切に設置できる手術支援システムがあります。これから人工関節においてもナビゲーションやロボットなどが進歩していくと思います。
ひざ関節の痛みにはどのような治療法がありますか。
痛みの度合いや、関節の変形の度合いに併せて、症状のグレードごとで治療方法が変わってきます。
症状の初期段階には、注射や理学療法など手術を行わない保存的治療で治療を行っていきます。それでもなかなか改善しない場合や痛みが強い場合には、人工ひざ関節置換術などの手術療法をおすすめしています。
「人工ひざ関節置換術」や「手術」と聞くとこわいものや痛いものとイメージされる方も中にはいるかもしれませんが、人工関節は痛みを取り除くのに有用な治療方法であり、日常生活動作をスムーズに行うため、痛みによる制限をなくすための手術です。
しかしながら、どうしても手術は控えたいとご要望される患者さんには、ご自身の痛みとこれからも付き合えるかよく相談しながら治療選択肢をお伝えするとともに、患者さんご自身にとってよりよい治療法を一緒に考えていきます。どんなときにも「患者さんファースト」で患者さんにとってベストな治療法をご提案できるように努めております。  
人工ひざ関節置換術に対する先生が大切にされていることはなんですか。
「ROM*」と「術後のひざの安定感」この2つにこだわって人工ひざ関節置換術を行っています。
人工ひざ関節置換術は、患者さん本来の生理学的かたちに戻すことが大切になりますので、術後もひざ関節が動く範囲や角度を戻すことができるようこだわりをもって手術を行っています。
また、ひざ関節の動く範囲や角度だけでなく、術後も安定したひざになるように関節面だけでなく、軟部組織と言われる筋肉や靭帯とのバランスも患者さん本来の形となるように努めています。
お母様から授かった身体、ひざ関節が患者さんご自身のお身体にとって一番の形ですので、その形に少しでも近づけるために「ROM*」と「術後のひざの安定感」を大切にしています。
 患者さんの中には、痛みを我慢し続けられてきて大きく変形がでたり、ひどい痛みを抱えられたりした状態でようやく診察に来られる方もいます。大きく変形が出てしまうと、関節面だけでなく周りの筋肉や靭帯にも影響がでてしまい、術後の可動域や安定感、リハビリにまで影響を及ぼすことがあります。重度になってからでは、術後の困りごとの心配も増えてきますので、痛みを我慢せずお近くの専門医にご相談いただき痛みの原因や治療の選択肢だけでも知っていただければと思います。

*ROM:range of motion。関節の可動域のこと。身体の各関節が、傷害などが起きないで生理的に可動、運動することができる範囲や角度のことを示します。
医療法人慶仁会 城山病院 おおた人工関節センター副センター長 入内島 崇紀 先生
人工ひざ関節置換術には、どのようなリスクがありますか。
感染症、血栓などの合併症が挙げられますが、その割合は非常に低いです。
術中の感染症リスクを下げることはもちろんですが、術後すぐにリハビリは行える環境により血栓のリスクも大幅に下がってきます。当院ではリハビリの環境を充実しており、患者さんが退院後日常生活にもどった際に依然と変わりなく、また痛みが取れてそれ以上に生活がしやすくなるようサポートしています。医師や看護師だけでなく、リハビリの先生、ソーシャルワーカーが一丸となって術後の生活サポートをしますので、その点もご安心いただければと思います。
術後、趣味やスポーツなどどこまで行うことが可能なのでしょうか。
体同士がぶつかるラグビーなどのコンタクトスポーツやマラソン、ジョギングなど過度にひざ関節に負担がかかるもの以外は、どんなスポーツやご趣味も行っていただいて構いません。
ひざ関節の痛みをとって、日常生活の制限をなくすための手術でもありますから、ぜひご趣味を存分に楽しんでいただければと思います。
実際に人工ひざ関節置換術を受けられた患者さんの中には70~80代の方でもバトミントンや、卓球、ゴルフと様々なご趣味を楽しまれている患者さんが多くいらっしゃいます。手術が必要な患者さんには、制限なく人生を楽しむための手術として、前向きな手術の検討をおすすめしています。
医療法人慶仁会 城山病院 おおた人工関節センター副センター長 入内島 崇紀 先生
印象に残っている患者さんについて教えてください。
みなさん非常に印象深いですが、多く患者さんが定期健診に来られた際に、術後にご趣味を楽しまれているお話やお孫さんのお話などたくさんお話を伺います。
なかには農作業中にクマに出くわした患者さんが「手術したおかげでクマから走って逃げられたよ!」とお話してくださったときは、非常に驚きましたが、痛みで歩くことにも悩んでいた患者さんが走れるまでに回復できたエピソードとして印象深く残っています。
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