慶應義塾大学病院 岩本卓士先生
患者さんの人生に寄り添って、最良の治療法を
(取材日:2023年)
専門分野: 手肘の外科、関節リウマチ、人工肘関節置換・人工指関節置換
趣味・休日の過ごし方:キャンプ、昆虫飼育
キャンピングカーを借りて家族とキャンプをして過ごしています。
また、「ニジイロクワガタ」というとても綺麗なクワガタを卵から成虫まで育てています。
最初は子供と一緒に飼育していたのですが、いつの間にか私が飼育にハマってしまいました。
最近気になるトピックス:国際交流の減少
海外旅行や国際学会への出席など、海外に行くことが極端に少なくなってしまいました
趣味・休日の過ごし方:キャンプ、昆虫飼育
キャンピングカーを借りて家族とキャンプをして過ごしています。
また、「ニジイロクワガタ」というとても綺麗なクワガタを卵から成虫まで育てています。
最初は子供と一緒に飼育していたのですが、いつの間にか私が飼育にハマってしまいました。
最近気になるトピックス:国際交流の減少
海外旅行や国際学会への出席など、海外に行くことが極端に少なくなってしまいました
来院される患者さんはどのような疾患で来られますか。
来院される患者さんの約半数がリウマチで、その他にも変形性関節症や腱鞘炎、神経麻痺など様々な疾患で受診されています。手の外科では「神経」「腱」「関節」の疾患が多く、様々な疾患に対応できるように日々努めています。
リウマチ患者さんの場合、あらゆる関節に症状が出てきますが、まずは大きな関節から手術をするようにすすめています。例えば、変形した指がどれだけ治り物が掴めたとしても、物を顔に引き寄せたり、上げ下げしたりする動作には必ず肘の動きが必要になります。そのため、まずは大きな関節から順に治療をすることをおすすめし、指などの変形はその後に治療を進めていきます。
リウマチ患者さんの場合、あらゆる関節に症状が出てきますが、まずは大きな関節から手術をするようにすすめています。例えば、変形した指がどれだけ治り物が掴めたとしても、物を顔に引き寄せたり、上げ下げしたりする動作には必ず肘の動きが必要になります。そのため、まずは大きな関節から順に治療をすることをおすすめし、指などの変形はその後に治療を進めていきます。
どんな症状がでたら受診したほうがいいですか。
関節が腫れたり、痛みがでたりするようであれば受診を検討いただければと思います。リウマチの場合、現在薬が大変進歩しており、手術まで至らずに保存療法で治療を進めることができるようになっています。
しかし、関節に変形が出た状態で我慢して使い続けると変形がさらに進んでしまい、できる治療方法も限られることがあります。日常生活に困るようになる前にお近くの整形外科や専門医にご相談いただければと思います。
しかし、関節に変形が出た状態で我慢して使い続けると変形がさらに進んでしまい、できる治療方法も限られることがあります。日常生活に困るようになる前にお近くの整形外科や専門医にご相談いただければと思います。
人工肘関節置換術とはどのようなものですか。
「歯の治療」を想像して頂ければと思います。
人工関節と聞くと関節を丸ごと換えてしまう大手術のように感じる方が多くいらっしゃいますが、実際は悪い部分を削って金属に換える「虫歯治療」のようなものだと考えて頂ければと思います。
あくまでイメージですが、虫歯の治療と同じように関節の痛みをとる大変良い治療法です。
しかし、歯の詰め物も何年かするとポロっと取れてしまう事があるように、人工関節も必ず一生持つものではありません。患者さんには、術後は人工関節が長持ちするように日常生活はあまり無理しすぎないようにお声掛けしています。人工関節についても、医療の進歩で以前に比べて長持ちするようになっておりますので、怖がらず相談いただければと思います。
人工関節と聞くと関節を丸ごと換えてしまう大手術のように感じる方が多くいらっしゃいますが、実際は悪い部分を削って金属に換える「虫歯治療」のようなものだと考えて頂ければと思います。
あくまでイメージですが、虫歯の治療と同じように関節の痛みをとる大変良い治療法です。
しかし、歯の詰め物も何年かするとポロっと取れてしまう事があるように、人工関節も必ず一生持つものではありません。患者さんには、術後は人工関節が長持ちするように日常生活はあまり無理しすぎないようにお声掛けしています。人工関節についても、医療の進歩で以前に比べて長持ちするようになっておりますので、怖がらず相談いただければと思います。
人工肘関節置換術を受ける際の流れについて教えて下さい。
人工肘関節置換術は腕の手術のため、手術の翌日には歩くことが可能です。医療制度の違いもありますが、海外だと日帰り手術をされているところもあります。
人工肘関節置換術の場合は2週間程度で退院が可能です。しかし、合併症として「脱臼」の可能性があるため当面の間はギプスを装着して固定をしたのちに、リハビリへと移ります。
肘関節の一番重要な機能である「物を取って、顔に近づける動作」が早くできるようになるために、術後1週間ぐらいから曲げ伸ばしのリハビリを始めていきます。
傷の状態も良くなり合併症のリスクが心配されない状態になれば退院が可能です。ご家庭やお仕事の事情がある方もいらっしゃいますから、状況に応じて傷の具合を見ながら退院時期はご相談にのっています。
人工肘関節置換術の場合は2週間程度で退院が可能です。しかし、合併症として「脱臼」の可能性があるため当面の間はギプスを装着して固定をしたのちに、リハビリへと移ります。
肘関節の一番重要な機能である「物を取って、顔に近づける動作」が早くできるようになるために、術後1週間ぐらいから曲げ伸ばしのリハビリを始めていきます。
傷の状態も良くなり合併症のリスクが心配されない状態になれば退院が可能です。ご家庭やお仕事の事情がある方もいらっしゃいますから、状況に応じて傷の具合を見ながら退院時期はご相談にのっています。
手術後、日常生活で気を付けるべきことはありますか。
肘関節については、術後ある程度の期間「脱臼」することが無ければ、その後も脱臼するリスクは少ないです。そのため、食事や入浴などの日常生活動作では特に注意事項はお伝えしておりません。腕立て伏せや起き上がる際に手を使って起き上がるなどの動作は肘に負荷が大きくかかるため、注意頂ければと思います。また、物を持ち上げる際に肩を開いて持ち上げるのも肘に大きな負荷がかかってきます。物を持ち上げる際は脇を締めて持ち上げ、人工関節を長持ちさせるためにも荷重をかけすぎる動作は控えていただく方が良いです。
術後には、「肘はもう何ともない!次は指も治したい!」と治療に意欲的な患者さんも多くいらっしゃいます。リウマチという病気は若年で発症することも多く、若いうちに手術をすると人工関節の寿命から再手術の可能性もあります。そのため、患者さんの人生に寄り添って手術が必要になる場合には、タイミングを一緒に考えながら治療を進めていきます。人工関節は関節の痛みをとるのに非常に効果的な治療法です。痛みを我慢され日常生活に制限がかかってくるようになれば検討いただければと思います。
術後には、「肘はもう何ともない!次は指も治したい!」と治療に意欲的な患者さんも多くいらっしゃいます。リウマチという病気は若年で発症することも多く、若いうちに手術をすると人工関節の寿命から再手術の可能性もあります。そのため、患者さんの人生に寄り添って手術が必要になる場合には、タイミングを一緒に考えながら治療を進めていきます。人工関節は関節の痛みをとるのに非常に効果的な治療法です。痛みを我慢され日常生活に制限がかかってくるようになれば検討いただければと思います。