聞くともっと安心 -体験談-

人工関節の部位別体験を聞く

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ひざ関節

医療法人伯鳳会 はくほう会加古川病院 鈴木 孝洋 先生
医療法人伯鳳会 はくほう会加古川病院 鈴木 孝洋 先生

新しい人生を始めるために
(取材日:2024年)

病院HP:https://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/medical/ik0116

ドクタープロフィール
趣 味     :旅行・ダイビング・息子とレゴづくり

最近のトピックス:建築・芸術めぐり 直島などをめぐり家族と芸術も楽しんでいます。
どのような症状やタイミングで患者さんは来院されますか。
クリニックで治療を続け、痛みが強くなってきた患者さんが、手術の話を聞くために来院されることが多いです。また急激に痛みが強くなり歩くのも難しい方が受診後そのまま入院、手術となるパターンもあります。
当院では地域における関節リウマチの治療も長年行っております。人工関節手術以外にも、お薬での治療やリハビリなどの保存療法、骨粗しょう症治療など、関節痛を治す治療も総合的にサポートする体制があります。痛みで日常生活が難しくなる前に、お気軽にご相談いただければと思います。
手術に至る可能性がある疾患とはどんなものがありますか。
関節リウマチなどの膠原病※や変形性関節症、骨の血流が悪くなって生じる壊死症など、さまざまな疾患があります。
特にひざ関節や股関節など、体の下肢にある関節には、運動や歩行によって体重の3~7倍もの負荷がかかると言われています。それにより関節内の軟骨や靭帯などがすり減り、破壊されていくことで痛みや変形が生じる疾患が、変形性関節症です。軟骨などの部分がすり減る要因としては、加齢、肥満、体質などが影響します。関節に負担がかかるお仕事や、ジャンプ動作を伴うスポーツ、昔負ったケガなども原因の1つとなりえます。
また、股関節の場合は「寛骨臼形成不全」という骨盤側の寛骨臼(臼蓋)のくぼみが十分に形成されず浅いために大腿骨頭の収まりが悪い疾患があります。この疾患は欧米人に比べて日本人に多く、先天性の要素もあり、大人になってから変形性股関節症になりやすい疾患です。

※膠原病… 本来自分の体を守るための免疫システムに異常生じて、自分自身のからだを攻撃してしまう「自己免疫疾患」の総称のこと。膠原病の1つである「関節リウマチ」は関節に炎症が起き、痛みや変形が生じる疾患です。
医療法人伯鳳会 はくほう会加古川病院 鈴木 孝洋 先生
関節の痛みにはどのような治療法がありますか。
痛みや関節周辺の炎症を抑えるために、まずは痛み止めの飲み薬や湿布などの貼り薬を処方します。症状が進行している方には、サポーターやインソールといった装具を使用することもあります。「治療」と聞くと、お薬や手術が思い浮かぶかもしれませんが、運動療法や体重コントロールは特に重要になります。
体重が増えることによって、関節には大きな負荷がかかります。特に歩くときひざ関節には体重の3倍もの荷重がかかっており、体重60㎏の方ですと180㎏がひざ関節にかかっていることになります。
そのため、患者さんには関節に荷重のかかりにくい水中ウォーキングや水泳をおすすめしています。何よりも患者さんご自身が継続しやすい運動を続けることが一番です。関節が固くならないようにストレッチも行い、関節の動きが悪くならないよう日頃の積み重ねを大切にしてください。外来でもリハビリや自宅での運動指導も行っておりますので、遠慮なくご相談ください。
医療法人伯鳳会 はくほう会加古川病院 鈴木 孝洋 先生
日頃の診療で先生が大切にされていることはなんですか。
手術前に不安や疑問を取り除いてから手術に臨んでいただけるように心がけています。日頃の診察では、手術を行うかどうか悩んでいる患者さんが多くいます。
そんな方には、手術をした場合としなかった場合の今後の見通しについて詳しくお話ししています。また、患者さんの関節の状態はもちろん、現在のお住まいの環境、仕事、家族構成などを踏まえて治療法についてアドバイスをしています。
術後の痛みも不安要素になると思いますが、疼痛コントロールはしっかりと行います。神経ブロック、関節内ブロック、点滴による投薬などを調整して組み合わせることで、手術直後の痛みはほとんど感じません。翌日のリハビリからは多少の痛みを感じる方はいますが、複数の鎮痛薬を使用して痛みを取り除くこともできますので、術後の痛みに対して不安な方も安心していただければと思います。
医療法人伯鳳会 はくほう会加古川病院 鈴木 孝洋 先生
手術後の日常生活で気を付ける事はなにかありますか。
退院後も関節の曲げ伸ばしや太ももの筋肉を鍛える運動を継続することが、関節を長持ちさせる秘訣です!
一般的には、ゴルフや水泳などのスポーツは手術の後も継続して行っていただいてもかまいません。しかし、患者さんの状態によって、運動可能な範囲や競技はことなりますので主治医にご相談ください。
人工股関節置換術を受けられた場合には、無理な姿勢をとると脱臼が生じることがごく稀にあります。術後のリハビリで脱臼が生じない動作を訓練しサポートますので、日常生活で少し注意しながらお過ごしください。
印象に残っている患者さんについて教えてください。
60歳代の女性の患者様で長い間ご家族の介護のため入院ができないと、保存治療を続けていた患者さんが印象に残っています。ご家族が介護施設に入所されたこともあり、再びご趣味の旅行を楽しみたいと人工ひざ関節手術を受けられました。術後は活動的になり、その中で様々な交流も生まれて「また新しい人生が始まった」と喜んでいただいたこと覚えています。
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