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人工関節の部位別体験を聞く

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医療法人社団紺整会 船橋整形外科病院 院長 老沼 和弘 先生
医療法人社団紺整会 船橋整形外科病院 院長 老沼 和弘 先生

優れた“手技” と“チームワーク” で 患者さんの早期社会復帰
(取材日:2023年)

病院HP:https://www.fff.or.jp/hospital/

ドクタープロフィール
専門分野:人工股関節

趣 味:ゴルフ
10年弱ほど続けており、月2回を目標にコースを回っています。

最近のトピックス:
昨今さまざまなニュースを見聞きし、メディアやマスコミのあり方、報道の仕方など考えさせられる部分がありますね。いいニュースが多い世の中になればいいなと思います。
患者さんの治療にあたっているなかで、意識されていることは ありますか。
患者さんに治療をしていくにあたって「チームワーク」は非常に大切だと思っています。
医師だけでなく、看護師、理学療法士、事務員などスタッフ全員が一丸となり治療にあたることによって、患者さんが効率よく最適な治療が受けられることにつながると考えています。
当院は整形外科の単科病院のため、非常に小回りがきくことからより良い治療環境を提供することができます。患者さんにとって「効率的」な医療を提供することは、患者さんの心身ともにご負担を軽くすることにつながります。例えば、スタッフのチームワークや手術方法によって、通院の回数をなるべく少なくしたり、術後も早期に退院できたりと患者さんにとって安全で、最適な治療を提供できるよう努めています。
股関節の痛みで来院される患者さんはどのような特徴がありますか。
「変形性股関節症」の痛みにお悩みの患者さんが主に来院されています。変形性股関節症は骨格の違いから、圧倒的に女性に多く発症する疾患です。
患者さんの治療目標も以前に比べて高くなっており、「痛みが取れたらいいな」「歩けるようになればいいな」から「痛みをとってゴルフを楽しみたい」などアクティブに余暇を楽しみたい患者さんが非常に多くなってきています。
変形の度合いや手術前の活動量にもよりますが、人工股関節置換術は高い治療目標に対しても非常に満足度の高い治療法ですので、安心して治療に臨んでいただければと思います。
70代を超えると老化現象を伴い筋肉の回復も難しくなってきます。術後のことも考えると、70代以上で手術を検討されている方はお早目に決断されることをおすすめします。
当院では患者さんが手術を受けるべきか判断材料となる資料をお渡ししたうえで、患者さんご自身の決断をサポート致します。まずはお近くの専門医にご相談いただければと思います。
医療法人社団紺整会 船橋整形外科病院 院長 老沼 和弘 先生
人工股関節置換術において、老沼先生が使われている人工関節 について教えてください
使用している人工関節は、日本人の体格に適したものを使用して手術を行っています。
軟骨の役割をする部分には「クロスリンクポリエチレン」という摩耗しにくく耐久性の高い素材が用いられており、手術後もアクティブに活動されたい患者さんの治療目標にも応えられるようになってきました。
また、手術方法にあった形状の人工関節が開発されたことにより医師は患者さんの状態や手術方法に合わせて人工関節の機種を選ぶことができるようになりました。
以前は限られた手術方法しかなく、人工関節のデザイン形状に手術方法まで考慮されたものは少なかったのですが、現在は私が使用している手術方法「仰臥位前方進入法(DAA アプローチ)」に合うデザインの人工関節もあります。
多種多彩な人工関節が開発されるなかで、それぞれに特徴や個性があります。人工関節の細部まで熟知したうえで、術式を工夫しながら手術を行っています。
患者さんの負担が少ない手術方法に合わせて開発された人工関節によって、より負担が少なくなり患者さんの満足度も非常に高いです。
患者さんにとって「仰臥位前方進入法(DAA アプローチ)」で 行う手術のメリットはなんですか。
「仰臥位前方進入法(DAAアプローチ)」での手術によって、患者さんの負担が非常に少なくなり、早期社会復帰が可能となりました。
「仰臥位前方進入法」は、股関節の前方の皮膚を切開し、筋肉の隙間から筋肉を切ることなく人工股関節を挿入する手術方法です。手術方法には他にも様々な種類がありますが、筋肉を切る手術方法では筋肉を縫合する必要があるため、縫合不全(縫合した筋肉が裂けてしまうこと)を避けるためにある程度の術後安静期間が必要となります。一方で、「仰臥位前方進入法」は筋肉を切らないため、そのような縫合不全のリスクがなく、術翌日から全荷重歩行が可能となります。また、筋肉を温存できるため、人工股関節置換術で懸念される「脱臼」のリスクも非常に低くなっております。
さらに、両脚同時に手術した場合にも片脚のみ手術した場合と同様に翌日からのリハビリを進めることが可能です。両脚だから入院期間がとりわけ長くなるということはありません。当院では全体の3割程度の患者さんが両脚同時に手術を選択されるほどご負担が少ないです。
医学生時代は野心満々で「せっかく医者になるのなら、○○式という自分の名前が載った手術方法を確立できればなあ」という思いもあり、手術方法が他の科に比べて圧倒的に多い整形外科を選びました。最小侵襲手術としての「仰臥位前方進入法」は20年ほど前に、私が日本で初めて確立した術式ですが、そう意味では、ある程度は初志貫徹できたのかなと思っております。その当時は海外でも数施設でしか行われていなかった術式ですが、今や、世界中どこでも行われており、米国ではついにトップの進入法になったようで、隔世の感があります。


医療法人社団紺整会 船橋整形外科病院 院長 老沼 和弘 先生
医療法人社団紺整会 船橋整形外科病院 院長 老沼 和弘 先生
人工股関節置換術の入院期間と退院までの流れを教えて下さい。
当院では、人工股関節置換術を受けられた約95%の患者さんが7泊8日の入院期間で退院されています。残りの5%の患者さんは術前の変形が強い方やその他ご不安な点がある方などはもう少し長い術後10日での退院をすすめています。
手術当日は血栓予防運動、翌日から起立歩行訓練、3~4日目で靴下を履く練習、外歩きや階段昇降訓練を行います。術後6日目には歩行も安定している患者さんがほとんどになりますので、安心して退院いただけます。
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