ひざ関節について

ひざ関節のしくみ
主な疾患
診察・診断の流れ
治療法
人工ひざ関節置換術

治療法

関節の痛みに対する治療には大きく分けて「保存療法」と「手術療法」の2つがあります。

人工ひざ関節置換術について
対象・治療の効果・人工関節手術数データ
手術の流れ
リハビリテーション

保存療法

安静

関節に痛みを感じるときは、ゆっくりと体を休めることが大切です。痛みが強い時は、痛む箇所を冷やすことが効果的です。ただし氷や保冷剤は直接皮膚に当たらないよう、タオルで巻くなどしてください。
長時間の冷やし過ぎは逆に悪化につながる場合があるので、冷やし過ぎには気を付けてください。

温熱療法

痛みやこわばりをやわらげる目的で関節を温める療法です。関節を温めて血の巡りを良くすることで、老廃物などが排泄されやすくなると同時に、動かしやすくなる効果が期待できます。
入浴や蒸しタオルなどで温めるなど、自宅でもできる方法もあります。

装具療法

杖、靴、サポーターなど、身につけるものを使用して関節の負担を軽くしたり、安定させる治療方法です。それぞれの症状や骨格に合った物を使用することが大切です。

運動療法

関節の動きには、筋肉が大きく影響しているため、安静も大切ですが、あまり動かさずにいるのも良くありません。
運動療法は、関節周辺の筋肉を強化して、関節にかかる負担を減らすことで痛みをやわらげる治療法です。間違ったやり方や、鍛え過ぎは症状を悪化させる恐れがあるため、医師や理学療法士の指導を受けることが大切です。
家にいながらできるものもありますので、一度相談してみましょう。

>>運動療法へ

薬物療法

飲むお薬だけではなく、湿布や塗り薬を使用し、痛みや炎症を抑える治療法です。
さらには、関節の動きを良くしたりクッションの役割をしたりする「ヒアルロン酸 」を直接関節に注射するヒアルロン酸の関節内注射も行われています。薬物療法には副作用のリスクが伴うため、必ず病院の先生に相談してください。お薬による治療についてもっと知りたい方は・・・

>>薬物治療へ

日常生活の中でできる取り組み

自分の関節を長持ちさせるために毎日の生活の中でできる取り組みを紹介します。

①体重のコントロール

⇒歩行中、ひざ関節や股関節には体重の約3倍の負荷がかかると言われています。体重を減らして関節にかかる負荷を軽くすることが大切です。

②カルシウムの摂取

⇒年齢を重ねると共に、骨はもろくなってしまい、骨折しやすくなったり、痛みやすくなったりします。
 カルシウムを多く含む食材を摂取し、、軽い運動や日光浴をすることをお勧めします。

※カルシウムを多く含む食材
 一般的に、乳製品、骨ごと食べる魚、葉物に多く含まれると言われています。
 サプリメントでも摂取可能ですが、その他の栄養素も取れることから、
 食べ物での摂取と併用することをお勧めします。

③杖や手すりの使用

⇒歩行時に杖を使用する、階段昇降時に手すりを使用するだけでも、ひざ関節や股関節にかかる負荷を
 軽減することができます。
 さらに、転倒の防止にも役立ちます。症状に合った杖選びはお医者さんに相談してください。

④関節を支える筋力の強化

⇒関節の動きには、関節周辺の筋肉が大きく関係していて、関節の動きをサポートしています。
 関節周辺の筋肉を鍛えることで、関節にかかる負荷を減らすことができます。

>>ご自宅でもできる運動についてはこちら

⑤血行を良くする

⇒入浴時に湯船につかることで関節を温め、血行を良くすることができます。
 血行が良くなると関節内の老廃物が排出されやすくなり、痛みの軽減につながると言われています。
 お風呂場に転倒防止のマットや手すりを付けるなどもお勧めします。

⑥座るときにも工夫を

⇒できるだけ正座は避け、椅子を使用しましょう。また、お手洗いも和式ではなく洋式を使用しましょう。
 立ち上がる際に関節に係る負荷を軽減することができます。

運動療法

【運動療法についてのご注意】
※手術後の方は、体操を始める前に主治医にご相談いただくことをお勧めします。
・各体操に記載の実施回数や時間はあくまでも一般的な目安です。 その都度、ご自身の体調にあわせて無理のない範囲で行うようにし、慣れてきたら少しずつ負荷を増やしていきます。
・万が一、痛みを感じた場合はただちに体操を中止し、主治医にご相談ください。
・服装は体を締め付けないような、楽なものを選びます。
・関節に痛みを感じるときは、ゆっくりと体を休めることが大切です。痛みが強い時は、痛む箇所を冷やすことが効果的です。ただし氷や保冷剤は直接皮膚に当たらないよう、タオルで巻くなどしてください。長時間の冷やし過ぎは逆に悪化につながる場合があるので、冷やし過ぎには気を付けてください。

立って行う運動
スクワット
つま先を少し開いて両足を肩幅より少し広めに開いて椅子の後ろに立ち、正面を見たまま腰を落とします。 5秒間その姿勢を保ち、ゆっくりと立ち上がります。 この時、ひざがつま先より前に出ないように注意しながら、お尻を後ろに引くようにして身体を沈めます。(10回)
つまさき立ち
椅子の背もたれ、または壁に手をつき、まっすぐに前をみた状態でゆっくりとつま先立ちになり、そのままの姿勢を5秒間保ち、ゆっくりと元に戻します。(10回)
片脚立ち
壁に手をつき、頭からつま先まで一直線になるように意識しながら、片脚を上げます。そのまま5秒間バランスを保ちます。(左右1セットで5回)
椅子に座って行う運動
もも上げ
椅子に浅く腰をかけ、片脚ずつ太ももをゆっくりと上に持ち上げます。そのまま5秒間保ち、ゆっくりと元に戻します。この時に太ももの前面と下腹部に力が入る様に意識します。強度を上げたい方は、無理のない範囲で足首に重り(1kg前後)をつけても良いでしょう。(左右セットで10回)
足閉じ
椅子に浅く腰をかけ、ひざの間にクッションなどを挟みます。そのままクッションを両ひざでゆっくり5秒間押し、ゆっくりと力を抜きます。(10回)
ひざ伸ばし(椅子編)
椅子に深く腰をかけ、片脚ずつひざをゆっくりと伸ばします。このとき、足首を直角に曲げて膝をまっすぐに伸ばしながら脚を上げます。脚を上げた状態で、5秒間保ち、ゆっくりと元に戻します。強度を上げたい方は、無理のない範囲で足首に重り(1kg前後)をつけても良いでしょう。(10回ずつ)
床で行う運動
ひざ伸ばし(床編)
トレーニングする方のひざと床の間にタオルを丸めて置き、仰向けに寝ます。足首をひざの方へ反らし、ひざは床に押し付けるように力を入れ5秒間保ち、ゆっくりと力を抜きます。(50回ずつ)
お尻上げ
ひざを立てて仰向けに寝ます。手はお尻の横に置き、少し広めに広げた状態で、お尻が床から少し離れる位置まで持ち上げます。そのまま5秒間保ち、ゆっくりと元に戻します。強度を上げたい方は背中も床から少し離れるぐらいまでお尻を持ち上げても良いでしょう。(10回)
足開き
ひざより上にタオルを緩く結んだ状態で仰向けに寝ます。そのまま足をゆっくりと開いて5秒間保ち、ゆっくりと元に戻します。(10回)
足上げ
仰向けに寝ます。太ももの筋肉に力を入れ、つま先をひざのほうへ反らした状態で片脚を天井に向けてゆっくり上げます。そのまま5秒間保ち、ゆっくりと元に戻します。強度を上げたい方は、無理のない範囲で足首に重りをつけても良いでしょう。(左右1セットで10回)
ひざ曲げ(うつ伏せ)
うつ伏せになります。足首はひざのほうへ反らしながら、斜め45度の高さまでひざを曲げます。そのまま5秒間保ち、ゆっくりと元に戻します。強度を上げたい方は曲げる足の足首に、無理のない範囲で重りをつけてもよいでしょう。(左右 各10回ずつ)
金魚体操
仰向けに寝て全身をリラックスさせます。腰を気持ちが良い程度にゆらゆらと金魚の様に左右に振ります。(10回)
※注意 この体操は畳やカーペットの上で行うことをおすすめします。
(布団やベットの上では体が沈んでしまい、向いていません。)

薬物療法

関節リウマチの特徴的な症状は「関節の腫れ」です。もっとも起きやすいのが、手首や手足の指の関節です。また、関節リウマチの症状は「対称性」といって、左右両側の関節にあらわれることが多いのが特徴です。 関節リウマチとよく似た病気に「変形性関節症」がありますが、この病気は、関節を動かしたときに痛みが出やすいものです。一方、関節リウマチは、腫れを伴って、じっとしていても痛いのが大きな特徴で、その痛みはよく「かみつかれたような痛さ」ともいわれます。
関節リウマチに特徴的な「腫れと痛み」は、免疫機構に異常が生じ、その結果関節に炎症が起こって生じるものです。
免疫機構とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの外敵を攻撃し排除するシステムで、人間が生まれながらに持つ性質です。ところが、何らかの原因で このシステムに異常が生じることがあります。この場合、免疫機構が自分の体の成分や組織を外敵と誤り、攻撃して排除しようとします。このように免疫機構と 正常な組織との間に争いが起こると、炎症とともに関節が破壊されるのです。こうした現象が関節に起こる病気が関節リウマチです。 関節リウマチの治療薬には以下の様な種類があります。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

 痛みや炎症を抑えるための薬剤です。

ステロイド薬

 正式には副腎皮質ステロイド薬と呼ばれ、強い抗炎症作用と免疫抑制作用を持っています。

抗リウマチ薬(DMARDs)

 免疫の異常を改善し、関節炎の進行を抑えます。

生物学的製剤

 高い炎症抑制作用を持ち、関節の炎症や破壊を引き起こす原因物質の働きを抑える。

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