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人工関節の部位別体験を聞く

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ひざ関節

独立行政法人労働者健康安全機構 千葉ろうさい病院 部長 清水耕先生 
独立行政法人労働者健康安全機構 千葉ろうさい病院 部長 清水耕先生 

「流行に流されず、最高の技術で確実な結果を」

病院HP:http://www.chibah.johas.go.jp/

ドクタープロフィール
専門分野:関節外科(股関節、ひざ関節、足関節、肘関節等)、関節リウマチ
最近のトピックス:AAOS(アメリカ整形外科学会)で深部静脈血栓に関する研究がハイライトポスター
(最も興味をひく紙面)に選ばれた事
期待しているもの・人:人工知能、小池東京都知事
趣味:ゴルフ、歴史の勉強、休日はなるべく子供と遊ぶようにしています
アメリカ整形外科学会の成人股関節部門で最優秀賞を受賞されたと伺いました。
変形性股関節症の患者さんでは中殿筋(※1)が委縮する事が従来知られていましたが、腸腰筋(※2)の委縮も著明である事を初めてMRIで明らかにしました。
日本人ではもちろんアメリカ人でも滅多に受賞できない素晴らしい賞を頂いた事も驚きでしたが、それ以上に私たちが気が付いていない事がまだまだたくさんある事を実感したので、その後も新しい発見やもっと良い治療法があるのではないか、という新鮮な目で診療を行うように心がけています。

※1: 中殿筋…お尻の部分にあり、骨盤とももの骨(大腿骨)をつなぐ筋肉。
※2: 腸腰筋…大腰筋と腸骨筋の2つの筋肉の総称。腰椎と骨盤からももの骨をつなぐ筋肉。
どのような症状・症例で受診される方が多いですか。
「ひざ関節や股関節の痛みがつらい」という症状で来院される方がほとんどです。
次いで「動きが悪い」「変形が気になる」「脚の長さが違う」等の症状で受診される方が多いです。
人工関節以外にも治療法はありますが、人工関節手術を勧める基準などはありますでしょうか。
患者さんが人工関節手術を受ける最大の理由は「痛み」ですので、人工関節を勧める基準は「手術以外の保存治療では痛みが我慢できなくなった場合」と考えています。
ただし「痛み」の感じ方や、我慢できる範囲には個人差が大きいので注意が必要です。
独立行政法人労働者健康安全機構 千葉ろうさい病院 部長 清水耕先生 
手術実施が決まってからのスケジュールについて簡単に教えて下さい。
手術を受ける事を決めた場合、2~3週間後に外来で全身状態や関節の検査の為に1回受診し、大きな問題がなければ
患者さんの希望の日程を相談して、約1ヵ月~1ヵ月半後以降に入院となります。
入院日にご家族を含めて手術の説明を行い、入院翌日か翌々日に手術を行います。手術後の歩行開始は、元気な方なら術後2日前後、高齢の方やあまり元気のない方は術後4日頃になります。
入院期間は人工股関節で2週間前後、人工ひざ関節で3週間前後になりますが、入院中に充分なリハビリを行いますので、退院後にリハビリ通院が必要になる事はほとんどありません。
リハビリではどのような事をしますか。
人工股関節の手術では平行棒、歩行器、杖等を用いた歩行訓練や筋力訓練が中心となりますが、脱臼しないように
日常生活動作で注意する事の勉強等も行います。人工ひざ関節の手術ではひざの曲げ伸ばしの訓練が中心になりますが、この際リハビリ技師の指導や訓練と共に、ひざの曲げ伸ばしを助けてくれる機械や、泡の出る風呂等も活用します。
退院後には、人工股関節では自宅近所の散歩を、人工ひざ関節では風呂でのマッサージと屈伸運動をお勧めしています。
低侵襲手術※の方法や患者さんへのメリットについて教えて下さい。
人工関節手術では、人工関節を正確に設置する事、骨折や神経麻痺等を起こさない事、感染を起こさない事等が最も
重要です。したがって現在人工ひざ関節手術では「最小の創で手術する」方法にメリットはないとされていますし、
人工股関節手術でも「筋肉のダメージが少ない」方法では骨折や神経障害を生じやすいので必ずしも優れてはいないとされています。真の意味での低侵襲手術とは、「電気メスを濫用しない」、「組織をなるべく傷めないように素早く
正確に手術を行う」、「手術中に無理な肢位をとらない」事等ではないかと思っています。

※低侵襲手術とは
治療部位の切開(侵襲)の程度をなるべく小さくしようという手術手法のことです。
詳しくは下記URLを参照ください。
http://motto-kansetsu.com/crotch/crotch05.html
今まで手術した主な人工関節の件数はどれくらいですか。また、人工関節手術を行う際に機種を選ぶ基準がありましたら教えてください。
今までに人工ひざ関節は1,800件以上、人工股関節は1,400件以上手術を行いました。現在は1年間に、人工ひざ関節は約150件、人工股関節は約100件の手術を行っています。
機種を選ぶ基準は、第一に、長期間にわたって安定した実績のある機種を選んでいます。第二に、人工関節の大部分は欧米人向けに欧米人によって開発された機種ですので、できれば日本人向けに日本で開発された機種を選択したいと思っています。
独立行政法人労働者健康安全機構 千葉ろうさい病院 部長 清水耕先生 
手術に関する先生のこだわりを教えて下さい。
「手術をしないで済めばそれが最善ですが、手術が必要なら最高の技術で」と考えています。
さらに付け加えるなら「流行に流されず、最高の技術で確実な結果を」というのが私のモットーです。
独立行政法人労働者健康安全機構 千葉ろうさい病院 部長 清水耕先生 
年に2回開催されている市民公開講座について教えて下さい。
一般の方に対し、股関節とひざ関節の仕組み、中高齢者に多い病気、治療法(手術の方法、手術以外の方法等)などをわかりやすくご説明しています。 講座の際心がけていることは、第一に一般の方にもわかりやすく説明する事、第二に保存治療や人工関節の内容を良く理解して頂き、過度の恐怖心を減らしてもらえるように努める事、第三に一般の方が勘違いしたり間違った情報に惑わされたりしている事を正しく説明する事です。
一人でも多くの方に来場して頂きたいと願っていますが、特に人工関節手術を勧められている方、そろそろ人工関節を受けた方が良いのではと思っている方、どの病院で手術を受けようかと迷っている方は是非参加して頂きたいと思います。

市民公開講座についてはこちらをご覧ください。
http://motto-kansetsu.com/seminar/2016/10/post-4.html
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